水・スラリー向けコックバルブ(コック弁)・プラグバルブ(プラグ弁)
B-62/B-66/B-70/P-68
概要説明
昭和25年にBABAコック製造を開始して以来、たくさん販売させていただきました。
現在は殆どボール弁とバタフライ弁に変わりましたが、コックでないといけない流体仕様で納入しております。
コックの歴史
コックの原形は、ローマ時代約2000年前から製作し青銅製コックが水道に使用されていたようです。
近世に至るまでバルブの必要な場合ほとんどコック形式のものが使用されてきたと考えられます。
コックの概要説明
円錐形のプラグに楕円形の孔をあけて、ハンドルの90度回転により流体の流れを全開全閉するようになっている構造です。一般には、完全閉止と全開のいずれかで使用されます。三方コック方式によっては、種々な流れを任意に転換できます。コック標準タイプの閉止(プラグ)は円錐形(テーパー形)で無潤滑です。但し納入時はグリス付です。
コック独特のメリット・デメリット
コックハンドルを90度回転するだけで、全開全閉できるので作動が早いのが利点ですが、ウォーターハンマー の原因ともなり配管上の欠点ともなります。本体と閉止(プラグ)の金属同士の摺動面は、完全シールを保証するためにはラッピング加工はかなり難しいのが現状です。
また本体と閉止(プラグ)がステンレス同士ですと、かじりを生じて開閉できない状況となります。コック特有のコックシール面が大きく、また摺動抵抗が非常に大きいため、異物の混入により摺動部が損傷されやすく、潤滑が不完全ですと磨耗焼きつきの危険性が高くなります。 摺動面にはグリスがついていますが、流体通過中にグリスが流れるというデメリットがあります。
摺動面が広く摩擦面積が大きいので、操作トルクが大きいなど、圧力変動の激しいものや温度の高いもの、大口径は原則的には使用しないほうがよいと思われます。但し、ダンパー仕様で使用されるなら、MAX 230℃、圧力 1K程度までです。
現在、コックのメリットを生かしデメリットを解消したのが、現在一般的に普及しているボールバルブです。また、コックのアレンジとして下水汚泥用の偏芯構造弁(エキセントリック弁)などもあります。
コックのメリットは、流体によってボールバルブでは使用できない仕様であることです。コック本体のパーツが少なく、構造が簡単でトップエントリーであること。デッドスペースがほとんどないこと。 流体抵抗が少なく流量調整にも適しています。そのためコックは低圧の比較的粘度の大きい流体が適しています。
スラリーを扱うのに都合が良く、もしスラリー状のものが付着すると、回転するたびに取り除けるようになっています。
シート気密性を要求されるケースはボールバルブをご利用ください。コックはボールバルブと比較するとシート気密性は劣ります。
コック仕様
タイプ | フランジタイプ・ネジ込みタイプ |
流れ穴方向 | 2方・3方(T栓 標準・L栓 準標準) |
流通量 | 約70% 標準 |
操作方法 | 手動式・レバー式 オプション・ギア式・エアーシリンダー式 |
フランジ規格 | JIS 10K 標準・JIS 5K 準標準 |
バルブ呼び径 | フランジタイプ 50A〜150A 標準(3方は75A〜150A標準) ネジ込みタイプ 40A〜65A 標準 上記以外のサイズは、準標準 MAX 300A |
適用流体 | 水・排ガス・紙パルプスラリー・泥水 |
使用圧力 | MAX 0.48MPa |
本体耐圧試験 | 0.98MPa |
使用温度範囲 | 標準 MAX 80℃ パッキン材質変更により MAX 230℃ |
標準材質 | 本体/要部 FC200/FC200(標準) FC/BC FC/SCS13(準標準) |
コックの流れ方向図

-
コックバルブ(コック弁)・プラブバルブ(プラグ弁)